カナダ(イエローナイフ・ホワイトホース)でのオーロラ観賞

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カナダ(イエローナイフ・ホワイトホース)でのオーロラ観賞

更新日:2023/11/14

カナダのオーロラ

広大な国土と雄大な自然に恵まれたカナダは、年間を通して幻想的なオーロラが観賞できる地としても知られています。特にノースウエスト準州のイエローナイフやユーコン準州のホワイトホースでは高確率でオーロラが観賞できるため、世界中から多くの観光客が訪れます。このページではカナダでオーロラを観賞できるベストシーズンや、観賞の際における注意点などについて解説します。

オーロラはどうして発生する?

オーロラは、地球の高層大気と太陽が放出するプラズマ(電気を帯びた微細な粒子)が衝突することで起こる放電現象です。ネオンガスに電気を通し発光させるネオンライトと同じ原理で、プラズマから電気エネルギーを得た酸素や窒素が元の状態に戻る過程で発する光の集合がオーロラとなります。発光する色は大気の組成・密度・高度により異なり、酸素は黄緑や赤、窒素では赤紫から青色の光を放ちます。プラズマは地球の表面が発する磁場を横断して移動することが困難なため大半の地域で弾かれてしまいますが、北極と南極の磁場発生源ではプラズマが入り込みやすい環境にあるためオーロラの発生率が高くなります。

カナダでオーロラ観賞ができる場所

オーロラが発生するエリアは「オーロラベルト」と呼ばれ、緯度60~70度の範囲にわたり帯状に広がります。カナダはオーロラベルトの直下にあるため、高い確率でオーロラを観賞することができる世界でも数少ない国です。カナダ北西部に位置するノースウェスト準州とユーコン準州はほぼ全域がオーロラベルトに含まれ、年間を通して高いオーロラ発生率を誇ります。カナダ以外では、北極圏にあるアラスカ、北欧のノルウェー、デンマークなどが有名です。
オーロラ観賞でカナダを訪れる際は、発生を予報するウェブサイトをチェックしてみましょう。

高確率でオーロラが出現する「イエローナイフ」

ノースウエスト準州の州都であるイエローナイフは、オーロラの出現率が高い地域として世界的に知られています。「オーロラベルト」と呼ばれる北緯約62度の真下に位置し、広大な敷地と晴天率の高さから年間を通してオーロラの観賞が出来ます。夏は平原に美しい緑が広がり、川や湖では釣りやカヌーを楽しむ人々が訪れます。イエローナイフは古くからイヌイットを始めとする先住民族が多く定住していますが、かつては金やダイヤモンドの採掘を目的としてゴールドラッシュに沸いた土地でもあります。現在の人口はおよそ2万人で8つの公用語で構成されています。1990年代にはオーロラツアーが大々的に組まれ日本からイエローナイフへの直行便を運航していた時期がありましたが、2000年代に同路線は廃止となりました。イエローナイフへ渡航する際はカルガリーやバンクーバーでの乗り継ぎが必要となります。北欧など北極圏に位置する国々でもオーロラの観賞が可能ですが、イエローナイフは安定した出現率の高さから多くの観光客が訪れます。

イエローナイフへの行き方

イエローナイフへの移動は、カルガリーまたはバンクーバーでの乗り継ぎが必要です。日本からカルガリー空港で乗り継いだ場合、約16~18時間でイエローナイフへ到着します。
空港からイエローナイフ市内への距離は約6kmで、宿泊先のホテルが運行するシャトルバスかタクシーでの移動が一般的です。車で10分ほどの距離ですが、徒歩での移動は困難です。
なお、オーロラを観賞する際はイエローナイフ郊外へ向かいます。レンタカーでの移動も可能ですが、初めての方は防寒具や設備が整ったツアーの利用をお勧めします。
イエローナイフはオーロラの出現率が高いことで世界的に有名な地域です。月に数回「ブレークアップ」と呼ばれるオーロラの活発現象が発生し、美しい光による神秘的な景色を様々な角度から眺めることができます。

絶景のなかでオーロラが堪能できる「ホワイトホース」

ホワイトホースはカナダ西部のユーコン準州の州都で、イエローナイフと並び高確率でオーロラが観賞できる地域です。カナダ東部のイエローナイフと同様、北緯約62度の「オーロラベルト」のほぼ真下に位置し、広大な大自然のなかで約23,000人の市民が暮らしています。3日以内のオーロラ出現率は90%以上であり、カナダでオーロラ観賞と言えばホワイトホースと言われるほど知名度が高いことで知られます。
「ホワイトホース」の名は街を流れるユーコン川が激しく波を打った時に上がる水しぶきが馬のたてがみに見えたことに由来。カヌーの聖地と呼ばれるユーコン川や世界自然遺産のクルアニ国立公園に囲まれており、オーロラ観賞だけでなく豊富なアクティビティも楽しむことが出来ます。夏季の最高気温は約20度で清々しい陽気に恵まれますが、冬季の最低気温は連日マイナス20度を下回る厳しい寒さが続きます。
現在、日本からホワイトホースへの直行便は運航していないため、渡航の際はバンクーバーでの乗り継ぎが必要となります。日本からバンクーバーまでのフライトは約9時間、バンクーバーからホワイトホースまでは約3時間のフライトを要します。広大な面積を有するホワイトホースには野生動物を間近で観測できる保護地区があり、雄大な大自然を堪能することが出来ます。

ホワイトホースへの行き方

ホワイトホースへの移動は、バンクーバーでの乗り継ぎが必要です。日本からバンクーバーまでのフライトは約9時間で、バンクーバーからホワイトホースは約2時間半~3時間のフライトで到着します。バンクーバーからホワイトホースへの移動はエア・カナダ、エア・ノース、ウエスト・ジェット(夏季のみ)の3社が直行便を運航しています。
レンタカーはホワイトホース空港や市内で借りることができ、RVと呼ばれるモーターホーム(キャンピングカー)を利用してオーロラの観賞地へ移動するプランが人気です。なお、レンタカーを借りる際は国際免許証とクレジットカードが必要となります。タクシーの利用も可能ですが、車両数が限られているため宿泊先のホテルや空港にて手配することをお勧めします。
ホワイトホースでは8月下旬から4月中旬までオーロラ観賞が可能で、最も気温が下がる11月~3月が人気のシーズンとなります。

カナダでオーロラ観賞ができる時期

カナダでオーロラ観賞ができる時期

オーロラ観賞は夜が長い8月下旬~4月上旬が適しており、夏季は湖面にオーロラが映る「逆さオーロラ」を眺めることができます。オーロラが発生する時間は午後10時~午前2時頃が目安となりますので、万全の防寒対策を行ったうえで観賞地へ向かいましょう。
オーロラは雲よりはるか上で起こる現象のため、出現率が高い地域であっても雲が多い日はオーロラが隠れてしまい肉眼での確認が困難となります。オーロラ観賞のポイントは、「晴れの日を選択する」「周囲に遮るものがない」「暗くて光が差し込まない」などの条件が重要です。カナダのイエローナイフやホワイトホースはすべての条件を満たしているため、高い確率で観賞することができる世界でも数少ない景勝地です。1、2週間ほどの滞在で確実にオーロラを観賞したい場合は、各旅行会社が催行しているオーロラ観賞に特化したツアーへの参加を推奨します。
イエローナイフにはオーロラ観賞のために造られた「オーロラビレッジ」があり、犬ぞり体験など極寒地ならではのアクティビティも楽しめます。夜はカナダの先住民が暮らしていた「ティーピー」と呼ばれるテントに入り、暖かな環境のなかでオーロラの出現を静かに待つことが出来ます。

一方、ホワイトホースにはオーロラ観賞に特化した「オーロラセンター」があります。ティーピーのほかモンゴル式の「ヤート」と呼ばれるユニークな形状のテントが設置され、オーロラ観賞の拠点となっています。オーロラ観賞には光が差し込まない環境が望ましいため、オーロラセンターには照明が設置されていません。静寂のなか、暖かいテントの中でオーロラの出現を待ちましょう。
オーロラの光は繊細で、一般的に月の光が少ない新月の頃が最も見やすくなります。イエローナイフやホワイトホースでは満月の日も高確率でオーロラが出現するため、満月とオーロラによる美しい景色が期待できます。

夏限定の絶景“逆さオーロラ”

カナダでは北欧と異なり白夜がないため、夏でもオーロラの観賞が可能です。
イエローナイフ、ホワイトホースともに8月下旬から夏季のオーロラシーズンとなり、「逆さオーロラ」と呼ばれる湖面に映る珍しい景色を眺めることができます。「逆さオーロラ」は広大な湖にオーロラが反射する現象で、夏だけの絶景を求めて多くの観光客が訪れます。湖面が凍結する冬とは異なる幻想的な景色を、イエローナイフやホワイトホースで堪能してはいかがでしょうか。
「逆さオーロラ」の時期は紅葉が始まるシーズンと重なります。昼間はハイキングやカヌーなど紅葉に染まる大自然のなかで、様々なアクティビティを楽しむこともできます。「逆さオーロラ」と紅葉シーズンのピークは、8月下旬から9月下旬のわずか1か月ほどとなります。計画を立案する際は現地の気象情報などを確認したうえで、渡航先やタイミングを検討することをお勧めします。雄大なカナダの自然を彩る紅葉と「逆さオーロラ」による美しい風景は、きっと感動的な旅の思い出となることでしょう。

オーロラ観賞する際の服装と持ち物

オーロラ観賞する際の服装と持ち物

オーロラが観賞できる時間帯は夜のため日中よりもさらに気温が下がり、マイナス20度前後のなかで待機する必要があります。十分な防寒対策が必須となりますので、寒冷地に適した服装で観賞に臨みましょう。ツアー会社や滞在する観測施設により、防寒具やスノーブーツのレンタルを行っている場合がありますので事前に確認することをお勧めします。服装のほか、オーロラ観賞や撮影の際に必要な物もご確認ください。

オーロラ観賞時の服装について

1. ニット帽とイヤーマフ(耳あて)

オーロラ観賞の際、防寒着のフードやつばのついたキャップを被るだけでは頭部の寒さを凌ぐことは出来ません。頭と耳が完全に隠れる厚手のニット帽やイヤーマフ(耳あて)をご用意ください。

2. 2種類の手袋

オーロラ観賞時以外でも耐水性と防寒性に優れた厚手の手袋は必須となります。手袋はミトン型ではなく各指が稼働するものを選んでください。
オーロラ観賞の際には椅子の設置やカメラ撮影、電池交換など細かな作業を要します。厚手の手袋の他に、薄手の手袋も用意しておくことをお勧めします。

3. 厚手の長いマフラー

オーロラ観賞の際は襟元を防寒する長いマフラーのほか、襟元の隙間から風を通さないようタオルをご用意ください。

4. 着丈が長いダウンジャケット

オーロラ観賞時にダウンジャケットの着用は必須ですが、着丈が長く防寒性が高いロングタイプのダウンジャケットを推奨します。
下着は薄手のものを重ね着することで、より保温性が高まります。

5. スノーブーツ・厚手の靴下

登山用やスキー用など保温性と耐水性に優れ、凍結した地面でも滑りにくいスノーブーツを選びましょう。
厚手靴下も必須となりますので、靴下の重ね履きを考慮して、やや大きめのサイズを選ぶことをお勧めします。

6. ネックウォーマー

マフラーとは別に、口周りを塞くことが出来るネックウォーマーを着用することをお勧めします。
オーロラ観測施設で待機する際は、フリース製など伸縮が容易で防寒性に優れたものが便利です。

オーロラ観賞時に必要なもの

1. カメラと装備一式

オーロラ観賞で忘れてはならない携行品といえばカメラです。肉眼では白っぽく見えるオーロラも、ファインダーを通すことで綺麗なグリーンに写ります。夜の撮影には手ブレを防止するため三脚やリモートコントローラーを用いることも重要なポイントです。また、カメラなどの電子機器は厳寒下ではバッテリーの消耗が早くなるため、予備バッテリーも忘れず用意しましょう。詳しくは“オーロラ撮影のテクニック”でご確認ください。

2. 懐中電灯

オーロラ観測は周囲に明かりがない暗い場所が適しています。夜間に街を離れ観測場所まで移動する際は、小さなものでも懐中電灯があると安心です。カメラや三脚を設置する際は両手が使えるヘッドライトタイプが便利でしょう。通常はスマートフォンで代用できますが、気温が低いとバッテリーの消耗が早く使えないため注意が必要です。

3. 密閉式の食用保存袋

寒冷地の屋外でカメラやスマートフォンで撮影した後、暖かい室内に入ると結露が発生します。結露は電子機器の故障や破損に繋がる恐れがあり、室内へ入る際は密閉式の食用保存袋にカメラを入れると予防になります。手元に保存袋がない場合はタオルで覆うことでも代用できます。特に、カメラのレンズは結露が凍結し撮影ができなくなるため、レンズキャップを忘れずに付けましょう。

4. 軽食やインスタント食品

氷点下では体力を消耗するため、軽食やインスタント食品の持参をお勧めします。カナダは食品の持ち込みについて厳しい取り決めがなされています。肉類、肉類を含む食品、乳製品、果物、野菜、ナッツ類などを持ち込む際は税関にて申告が必要です。これらの原料が含まれたインスタント食品も対象となるため、食品を持参するなら現地で購入しましょう。

5. 保温機能がついた水筒

観測場所に到着後は、オーロラが出現するまで待機となります。ツアーでは防寒された待機施設やスープの提供がありますが、観測中は屋外で長時間カメラの傍につくことになるでしょう。温かい飲み物は冷えた身体を内側から温めることができます。保温機能がついた水筒にスープやお茶、コーヒーなどを準備しておくと良いでしょう。

他にも下記の持ち物をオーロラ観賞の際に持参することを推奨します。
使い捨てカイロ、1~2日分の下着類、簡易食器類と紙皿

オーロラ撮影のテクニック

1. 一眼レフやミラーレスカメラ

オーロラ撮影のポイントは「ISO感度」「シャッタースピード」「レンズの明るさ(F値)」です。この3点を理解することで、カメラの性能を問わず綺麗なオーロラを撮影することが可能です。
お勧めはシャッターを開放したままにする「長時間露出機能」がある一眼レフカメラとミラーレス一眼カメラです。近年では一眼レフカメラとミラーレス一眼カメラに性能・画質の違いはほぼありません。ミラーレス一眼カメラは軽くコンパクトなため持ち運びしやすいという利点があり、一眼レフカメラは交換レンズの種類が豊富で価格が安価です。利便性や性能を検討し、自分に合ったカメラを選びましょう。

POINT

ISO感度は数値を上げることで暗い場所での撮影が可能となります。ただし画像が荒れるため、800~3200を目安に調整してください。シャッタースピードは10~30秒で試し、様子を見ながら早くしていきましょう。 「レンズの明るさ(F値)」は「絞り」とも言い、カメラに取り込む光量を調整する機能です。F値の最小値はレンズごとに異なり、”F2”、”F4”と数字が上がるごとに光量が絞られます。オーロラを撮影する際は最も小さい数値に設定しましょう。

2. 広角レンズ

オーロラ撮影には画角も重要となります。広角レンズはより広い範囲をファインダーに収めることができるため、前景に山や森を入れた臨場感あふれる写真が撮れます。レンズに記載された”50mm”や”200mm“は「焦点距離」と言い、数値が小さいほど広角レンズとなります。オーロラを撮影する際は24mm以下を目安にレンズを用意しましょう。
”ブレイクアップ”と呼ばれる動きが激しいオーロラを撮影する場合は、空全体が収まる15mmほどの対角魚眼レンズもお勧めです。

3. 三脚

オーロラの撮影は長時間シャッターを解放したままにするため、わずかな手ブレが仕上がりに大きく影響します。鮮明な写真の撮影には三脚は必須です。
三脚を用意する際は、パイプ径が25mm以上のしっかりしたものを選びましょう。冬期は雪上に設置するため、ある程度の重さも必要になります。また、シャッターを切る瞬間の手ブレ防止には、「ワイヤレスリモートコントローラー」や「リモートコード」の併用もお勧めです。

4. カメラのバッテリー

寒さの厳しい冬季のオーロラ撮影では、バッテリーの消耗が非常に早くなります。シャッター解放中に切れることがないよう、バッテリーは極力冷やさないことが大切です。長時間撮影しない際はバッテリーを取り外し、予備のバッテリーと一緒に内ポケットで保管しましょう。

カナダへの入国・渡航にはeTA(イータ)申請が必要

オーロラ観賞などツアーへの参加や観光を目的としてカナダへ渡航する方は日本を出発する前にeTA(イータ)を申請する必要があります。eTA(イータ)はカナダ政府により導入された電子渡航認証制度で、オンラインでの申請が可能です。eTA(イータ)は申請日より5年間またはパスポートの期日まで有効となり、有効期限内であれば複数回のカナダ渡航が可能です。eTA(イータ)を利用して渡航する際はカナダで6か月以内の滞在が認められるため、一般的な観光や出張等でカナダへ訪れる場合はビザではなくeTA(イータ)を申請して渡航することをお勧めします。なお、オーロラを観賞する施設でパスポートを提示する必要はありませんが、カナダ国内を移動する際は常にパスポートの携行をお願いします。

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