「医療設備整っていない」イヌイットコミュニティへの集団感染拡大を危惧

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「医療設備整っていない」イヌイットコミュニティへの集団感染拡大を危惧

  • イヌイット
  • 新型コロナウイルス

更新日 : 配信日 :

カナダのイヌイット族の首領たちは新型コロナウイルスの世界的な流行により、集団感染が住民にも及ぶ危険性があることを危惧しています。イヌイットは太古の昔よりカナダ北部の極寒地域に居を構える先住民族です。以前はおもに海洋哺乳類やトナカイなどを狩猟して生活していましたが、近年は都市化が進みスーパーやネット通販などを利用するなど、近代的な要素も取り入れて生活しています。

イヌイットの自治地方である“ヌナツィアブト“は新型コロナウイルスの感染例が報告されていない数少ない地域のひとつですが、一方で集団感染を引き起こしかねない問題を抱えています。コミュニティは慢性的な住宅不足や家屋の換気不良によって過密状態となり、2018年には結核が流行しました。ヌナツィアブトの元首であるヨハネス・ランペ氏は、「私達はカナダ人の多くが当然のように入手できる基本的な医療機器を多く所有していないため、住民が感染した場合に適切な処置を施すことができないのです。未知のウイルスに対抗する準備ができていません」と厳しい現状を吐露しました。例えば、約600人のイヌイット族が住むホーペデールという村の診療所にはベッドが一つあるだけで、医師も人工呼吸器も適切な処置を施すための設備もありません。万が一大規模な感染が発生した場合、その対処は困難を極めます。1918年にスペイン風邪がカナダで蔓延した際も、イヌイットの総人口のおよそ三分の一が犠牲になったという痛ましい過去もあります。

こうした背景をもとに先住民サービス大臣のマーク・ミラー氏は、「連邦政府は必要に応じてカナダ北部のコミュニティを支援できるよう軍に要請する用意がある」と危機感を訴えました。首都オタワでは各政府と協力し、感染拡大に対する緊急対策に取り組んでいます。

参考元 : CBC
https://www.theglobeandmail.com/canada/article-we-are-not-prepared-inuit-brace-for-coronavirus-to-reach-remote/

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