移民国家カナダの現状

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移民国家カナダの現状

更新日:2023/11/14

カナダ移民

カナダは1869年に最初の移民法が制定されて以来、毎年移民を受け入れ続けています。移民の受け入れに積極的な姿勢を示している理由の一つとして、少子高齢化問題が挙げられます。カナダ政府は経済の活性化を目的として、若年層やビジネス移民を寛容な姿勢で受け入れる様々な移民政策を行っています。カナダ移住のメリットや永住権の取得方法など、このページでは移民国家カナダの現状について詳しく紹介します。

カナダの移民割合と寛容政策

カナダは総人口約3,800万人のうち22%を移民が占めており以前は殆どヨーロッパ諸国からの入国者でしたが、近年は中東やアジア諸国からの割合が増加傾向にあります。ジャスティン・トルドー首相の人道的観点を重視する考えにより、人種の多様性などを尊重するモザイク社会を目指す政策が施行されました。「テロや戦争から逃れた人を歓迎する」「多様性は私たちの力だ」「移民により国が経済的に豊かになる」と、多様な移民を積極的に受け入れる方針を示しています。
カナダの移民制度は、イギリスやオーストラリアと同様でポイント制により学歴や職歴などの評価を点数化し、既定を満たすことで移民資格が取得できます。各評価項目とポイントの詳細はカナダ移民局のウェブページでご確認ください。

カナダが移民の受け入れに積極的な理由

カナダでは、日本と同様に少子高齢化問題が深刻化しています。2030年までにベビーブームと呼ばれた1950~1960年代初頭に生まれた約900万人が定年を迎え、社会保障制度を支える労働者人口が減少し同制度への爆発的な負担が増加すると考えられるためです。このため、カナダで受け入れている「家族移民」「難民移民」「経済移民」のうち、少子高齢化対策と経済力の向上を目的とした「経済移民」の受け入れがより積極的に行われています。
2020年、カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)は2021年から2023年までの3年間で120万人の移民を受け入れる方針を発表しました。それまでは年間約20~30万人を受け入れていましたが、2019年より発生した新型コロナウイルスの影響により減少した移民人口を回復するための措置です。政府は目標となる移民数達成のため、ビザ発給における審査基準を緩和。多くの移民を受け入れなければならないカナダの危機的な状況が窺えます。

カナダに移住する5つのメリット

治安の良さと住みやすさ

シンクタンクの経済平和研究所(IEP)が社会の安全や国内および国際紛争の有無などを指標に発表した”2021年世界平和度指数(Global Peace Index)”で10位に選出された日本と12位のカナダは比較的治安の良い国と言えるでしょう。
また、カナダは高齢者や身体に障害がある方に優しいバリアフリー先進国です。特に首都オタワのあるオンタリオ州ブリティッシュコロンビア州アルバータ州では緩やかなスロープやノンステップバスなどユニバーサルデザインが至る所に施されます。カナダ運輸庁のウェブサイトでは障がいがある旅行者に向け、事前に交通機関のバリアフリーに関する詳細やサポート先の情報を知ることができます。

広大な自然遺産

世界で2番目に広い国土をもつカナダは広大な自然遺産に恵まれ、高層ビルが立ち並ぶ都心部には自然豊かな公園が広がります。都心から車で30分~1時間で山や海にアクセスでき、自然の中でハイキングやスキー、サーフィンなど四季折々のスポーツが楽しめるため多くの市民が訪れます。カナダ北部のイエローナイフホワイトホースまで足を延ばせばオーロラ観賞もでき、夜空に広がる奇跡の風景に心が奪われる体験ができるかもしれません。

医療保障の充実

カナダでは移民認定されると医療費が無料になる健康保険制度“Medicare(メディケア)”に加入することができます。州政府に大きな権限が与えられているカナダでは、保障内容が所在地により異なります。共通している点はカナダの市民権または就労ビザ(ワーキングホリデーを除く)保持者であること、入院中を除き処方された薬の費用が自己負担になることなどで、歯科診療費や子供の医療費などは州により異なるため注意が必要です。“Medicare(メディケア)”の申請方法や各州の保障内容については、必要に応じてカナダ政府や各州の公式サイトなどで確認しましょう。

様々な国の文化に触れる

カナダは「モザイク社会」と言われるほど、他民族・多文化が混在する国です。カナダの子供たちは幼少期から様々な人種に接するため、多種多様な文化や考え方を学ぶことができます。公用語は英語とフランス語ですが、多民族国家のため200以上もの言語が日常的に使われます。多様な言語を学ぶことができるだけでなく、異なる民族同士がお互いの文化や風習を尊重する考え方が自然と身に付くでしょう。

ジェンダーレスへの理解

1998年にブリティッシュコロンビア州では、異性のみならず同性カップルにも法的保護を適用する法律が施行されました。これを機にカナダの各州で法制度のジェンダーレス化が進み、2005年には世界で4番目となる同性婚を認める法律がカナダ全土で施行されました。トロントバンクーバーモントリオールなどではLGBTQの世界的祭典“プライドパレード”が開催され、毎年多くの市民が参加します。1981年から開催している”プライドパレード・トロント”は特に規模が大きく、パレードが催行される6月は“プライド月(Pride Month)”と呼ばれ、連日LGBTQに関連する様々なイベントが催されます。

カナダが受け入れる移民の種類

カナダが受け入れる移民は、「家族移民(ファミリー移民)」「難民移民」「経済移民(ビジネス移民)」に分けられます。

家族移民(ファミリー移民)

18歳以上のカナダ市民またはカナダ在住の永住権保持者がスポンサーとなり呼び寄せた近親者を、「家族移民(ファミリー移民)」といいます。 “近親者”の適用範囲は広く、血縁関係がある両親や祖父母、孫、兄弟、姉妹、姪や甥の他、血縁のない養子や、永住権保持者と事実婚関係にあるコモンローパートナー、コンジュガルパートナーも含まれます。コモンローパートナーは1年以上同棲の実績があるパートナーを指し、コンジュガルパートナーは同棲せずに1年以上の内縁関係にある異性や同性のパートナーを指します。

難民移民

難民を移民として受け入れるための「難民支援制度」は、「条約難民」と「第三国定住難民」の2種類があります。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や民間スポンサーの団体からの受け入れ希望が出された後、政府は計画に沿って受け入れ地域及び人数を決定します。

条約難民

自力でカナダに辿り着いた難民が、難民申請をカナダ政府に提出することで難民条約のもと認められる制度です。条約難民に認定されると在留資格が得られ、カナダの公的な支援を受けることができます。

第三国定住難民

第三国定住難民”は、国や民間の団体が“難民キャンプ”に避難している人々を主体的に呼び寄せることができる制度です。

経済移民(ビジネス移民)

経済移民制度”では、カナダでのビジネスを目的として移住を希望する「企業家移民」「投資移民」「自営業者移民」の3種類の移民を受け入れています。

企業家移民カナダで起業または企業の買収を目的に移住する方が対象となります。
起業もしくは買収する資金力、事業の管理経歴と経験などがポイントに換算され審査が行われます。
投資移民カナダ政府のファンドを購入する投資家が対象となり、そのための投資資金は5年間無利子で貸し出されます。
事業の管理経歴と経験が審査されます。
自営業者移民芸術、文化、スポーツ、農業経営などで明確な実績を持ち、独自で雇用機会を作れることが審査の対象となります。
カナダ移民ビザ申請

カナダへの移住に必要なビザ

カナダの永住権を得るには、移民申請を行う必要があります。移民カテゴリーは大きく以下の5つに分かれます。

  1. ファミリークラス / Family Class
  2. カナダ経験クラス / Canadian Experience Class (CEC)
  3. ビジネスクラス / Business Class
  4. 州政府移民プログラム / Provincial Nominee Program (PNP)
  5. 個人移住クラス / Skilled Worker Class

5つのカテゴリーに分けられた60種類以上あるビザのうち、日本人が比較的取得しやすいビザを4種類紹介します。

ファミリー・スポンサーシップ / Family Sponsorship

「家族移民」のための“ファミリー・スポンサーシップ“では、18歳以上のカナダ市民またはカナダ在住の永住権保持者(スポンサー)が、移住を希望する家族に代わり移民申請を行います。血縁関係である両親や祖父母、子供、孫、兄弟・姉妹、姪や甥の他、血縁のない養子やコモンローパートナー、コンジュガルパートナーなどが対象です。スポンサーは収入要件を満たす必要があり、呼び寄せた近親者を一定期間サポートするよう義務付けられます。期間は配偶者やパートナーの場合は3年間、その他近親者には10年間または25歳になるまで支援する必要があります。

エクスプレス・エントリー / Express Entry

2015年に導入されたエクスプレス・エントリーは、高度な技術を持つ熟練労働者を対象にした永住権制度です。エクスプレス・エントリーは主に3種類に分類され、申請条件などが異なります。詳しくはカナダ移民局のウェブサイトをご確認ください。

スタートアップビザ / Start-up Visa

スタートアップビザ“は、2012年に文化的・経済的な発展のために革新的な起業家の受け入れを目的として導入されました。具体的な要件として以下が求められます。

  • are innovative (革新的であること)
  • can create jobs for Canadians (カナダ人に対して雇用の創出ができること)
  • can compete on a global scale (世界規模のビジネスに匹敵すること)

また、カナダで起業を目指している人やカナダ経済に貢献できるビジネスプランがある、英語やフランス語の語学力・生活資金が一定基準を満たしている、カナダ政府指定の許可証(Letter of Support)を取得するなど、4つの厳しい条件を満たす必要があります。

ポスグラビザ / Post Graduation Work Permit

ポスグラビザ”は、カナダ国内の指定教育機関を卒業すると申請資格が得られる“Work Permit / 就労許可証”です。ポスグラビザはOpen Work Permitなため雇用主に制限がありません。他のビザとは異なりどのような企業や職種でも働けます。就労期間はカナダでの就学期間により定められ、就学期間が8か月~24か月までの場合は就学期間と同期間、24か月以上の場合は3年間の就労が可能です。

ポスグラビザで発行されるWork Permitの期間

  • 8か月~24か月までの就学:就学期間と同期間
  • 24か月以上の就学:3年間

申請要件は指定のプログラムを8か月以上受講し修了すること、フルタイムの就学であること、公立のカレッジまたは大学・大学院を卒業することなどです。ポスグラビザは生涯で1度のみ取得可能なため、申請のタイミングは慎重に検討しましょう。

ビザ(永住権)の申請方法

移民申請は、種類により申請方法が異なります。一例としてエクスプレス・エントリー(Express Entry Profile)について説明します。

  1. オンラインで名前、年齢、学歴、職歴、語学力などを登録しExpress Entry Profileを作成します。
  2. Express Entry Profileの内容を元に1200点満点のポイントシステムComprehensive Ranking System(CRS)で計算されます。
  3. 2週に1度選考が行われ、合計ポイントの高い申請者から順に永住権の申請が可能となる“Invitation to Apply (ITA)”が送られます。
  4. ITA取得後60日以内に登録した学歴や職歴などを証明する書類を提出します。
  5. 通常は提出してから6か月ほどで審査結果が届きます。

移民政策の今後の見通し

カナダの移民政策が優れている理由として、自国の利益を優先していることが挙げられます。カナダの永住権取得者のうち難民はわずか1割程度に留まり、多くは教育水準や仕事のスキル、語学力などを評価されカナダに貢献する資質を認められた「経済移民」です。しかしながら、こうした移民政策が人口問題、経済問題の真の解決となるかは、カナダ国内でも意見が分かれています。

カナダ・バンクーバー

カナダで住みやすい2大都市

カナダでは、バンクーバーとトロントの2大都市が住みやすいと言われています。
バンクーバーは、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州に位置します。気候は温暖で夏は乾燥し、冬でも気温が氷点下になることはほとんどありません。店舗も多くショッピングやグルメを楽しむのに適していますが、物価が高いのが難点です。国土が広いカナダで車は生活に欠かせませんが、バンクーバーは地下鉄やバスなど公共交通機関が発達しているため車がなくても不便は感じないでしょう。
トロントは、カナダ中東部オンタリオ州に位置するカナダ経済の中心地です。カナダで最も人口が多くバンクーバー以上に物価が高い一方で、仕事は多種多様にあります。気候は季節により気温の変化が激しく、夏は蒸し暑く冬はマイナス20度以下になることもあります。公共交通機関が充実し、地下鉄の構内には、オフィスビル、CNタワー、レストラン、ショッピングモールなど50以上の施設を含む巨大地下街“PATH”があります。このトロントの地下街は、ギネスブックにも”世界最大の地下街”として認定されています。

カナダ入国・渡航にはeTA(イータ)の事前申請が必要です

バンクーバートロントへの観光を目的としてカナダへ渡航する際は、電子渡航認証eTA(イータ)の申請が必要です。eTA(イータ)はカナダ政府およびカナダ移民局が定める電子渡航認証制度で、オンラインでの申請が可能です。eTA(イータ)は申請日より5年間またはパスポートの期日まで有効となり、有効期限内であれば複数回カナダへの渡航が可能です。また、eTA(イータ)を利用してのカナダ渡航は180日(6か月)間の滞在が認められます。eTA(イータ)の申請方法については「カナダ電子渡航認証eTA(イータ)申請方法の手順と記入例」をご確認ください。

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