カナダ公衆衛生庁はカナダ全土のインフルエンザ症例数が現時点で17件であると発表。多くの専門家は新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行により医療体制がひっ迫することを恐れていましたが、昨年同時期の711件と比べると今年は非常に少ない水準となっています。カナダでは9月以降に新型コロナウイルスの感染が再拡大し、現在は全国でおよそ1500人が入院しています。しかし、11月第1週の報告ではインフルエンザでの入院患者は確認されていません。カナダの最高公衆衛生責任者であるテレサ・タム博士は17日の会見で、「例年よりも高い割合でインフルエンザの検査を行っていますが、症例数は非常に少ないです」と報告しました。
新型コロナウイルス流行後にインフルエンザの症例数が減少したという事例は、インフルエンザシーズンを先に迎えた南半球でも数多く見られています。ニュージーランドは99.8%、オーストラリアは93%減少したと報告。オーストラリアにおける昨シーズンのインフルエンザによる死者数は800人以上でしたが、今シーズンは36人となっています。クイーンズ大学の感染症専門家であるジェラルド・エバンス博士は、「現時点の症例数はカナダでも南半球の国々と同じような結果となることを示しています」とコメント。また、インフルエンザの症例数減少の理由を「手洗いや社会的距離の保持、マスク着用など新型コロナウイルスへの対策が功を奏しています。さらに海外旅行者が劇的に減ったことも理由の一つです」と説明しました。
カナダではインフルエンザワクチンの接種を例年以上に強く推奨し、多くの人が接種しています。アルバータ州における昨シーズンのインフルエンザワクチン接種人数は計140万人でしたが、今年は10月の開始後1か月経たずに114万人が接種しました。タム博士は、「インフルエンザ対策は新型コロナウイルスの流行に医療が対応していくためにも必要不可欠です」とインフルエンザワクチンを接種するよう呼びかけています。
参考元 : CTV NEWS
https://www.ctvnews.ca/health/flu-season-in-canada-exceptionally-low-so-far-public-health-says-1.5191985