トロント動物園 ニューヨークのトラが新型ウイルス感染 対策強化を実施

ニューヨークのブロンクス動物園で飼育されているトラから新型コロナウイルスの陽性反応が検出されたというニュースはトロント動物園の職員たちにも大きな衝撃を与えました。トロント市郊外に位置するトロント動物園はカナダで最大の規模を誇る動物園です。1974年のオープン以来国内外の来場者で人気を博し、ジャイアントパンダをはじめとした500種5000頭以上の動物を展示しています。

ブロンクス動物園のニュースを受けてから間もなくスタッフ間で意見交換が行われ、4月6日の朝までに施設にいる4頭のトラと、ライオン、チーター、ヒョウ、ジャガーを含む大型のネコ科の動物たちを保護する事を決定。飼育員には防護服やマスク、手袋など新たな予防策が導入されました。トロント動物園の野生動物担当責任者であるアンドリュー・レンティーニ氏は「新型コロナウイルスがトラにも感染する恐れがあると知ったときには非常に不安になりました。ネコ科の動物でも感染してしまうとは想定外の事態です」とその胸中を明かしました。また、「同動物園では職員の検査で陽性反応を示した例は出ておらず動物たちにも影響はまだ出ていない」と述べています。

このニュースを受けたゲルフ大学オンタリオ獣医学科のスコット・ウィーズ教授は「新型コロナウイルスのトラへの感染はそれほど驚くべきことではない」との見解を発表。十数年前に同じコロナウイルス由来のSARSが流行した際、ネコ、フェレット、大型猿人類は感染する恐れがあると既に証明されているとしています。しかしネコからネコへ感染する危険性は明らかになっていますが、ネコから人間に感染するかどうかはまだ研究が行われていないということです。
なお、ウィーズ教授はカナダ国内の認定動物園、水族館等の施設で働くスタッフと動物に新型コロナウイルスの症例は現在無いと報告しています。

参考元 : CBC
https://www.cbc.ca/news/canada/toronto/covid-toronto-zoo-tigers-1.5525753